修理と調整・毛替

修理中のバイオリン
修理中のバイオリン

調整とは

楽器の持つ最高の音を引き出しそれを維持する、そして楽器を常に弾きやすい状態に保つこと
どんな楽器でも、きちんと調整されてはじめてその持てる力を最高に発揮できるものです。

修理について
楽器も弓もほとんどの故障や破損は修理、修復が可能です。(ゾウにふまれた・・・というようなのはわかりませんが)

木で作られ、膠で接着されてている楽器は、演奏による傷みだけでなく、温度や湿度の変化などによってもいろいろなトラブルが起きることは避けられません。
300年もの間演奏され続けてきた楽器も、正しい修理や調整が続けられたからこそそのすばらしい音色を保っています。

目に見えるような故障なら見落とされることはないのですが、少しずつ調子が変わってくるときは気づかれにくいものです。
楽器の場合は「自然治癒」するということはまずあり得ませんから、おかしいなと感じたときはなるべく早く専門家に見せることで、ダメージを最小限にすることができます。

楽器に関しては「素人修理」は危険です。
大切な楽器をかえってだめにしてしまうことはよくあります。小さなところだからとボンドでくっつけたりは間違ってもしないでください。

毛替えについて
「毛替えはどのくらいの間隔でやればいいの」とよくきかれますが、これは人によってさまざまなようです。
(1ヶ月とか2ヶ月で替える人もあれば何年もそのままという人もあるようで)
弓は、それ自体の摩擦で音が出ると思われているかも知れませんが実際は毛の表面のっている松脂が音を出しているというのが正しいようです。弓のひっかかりがなくなった、と感じるときや、松脂をぬってもぱらぱらと落ちやすくなったような気がするときは、弓毛が松脂を保持する力がなくなったといえますから、毛の替え時とお考えください



 《自分でできる調整》
コーナー      (今後、少しずつ内容を充実させていきます。)

駒の立ちかたについて
きれいに磨く、弦を張り替える 調弦する・・・・楽器の持ち主が普段行っていることですが、もうひとつ毎日楽器に接している人にぜひ気をつけていただきたいことがあります。
それは、駒の立ちかたに注意することです。
駒は小さな部品ですが、弦の振動を楽器全体に伝える大切なところですから、これがうまく取り付けられていないと、楽器の持つ音を引き出せないだけでなく、楽器を傷めたり寿命を縮めたりすることになります。

演奏の前後に必ず駒を確かめる習慣をつけてください。
やり方は簡単です。(ご自分の楽器を一度たしかめてみてください。)

前後の角度を見ます まず真横から楽器を見て

正しい駒の角度

通常はこのように、テールピース側が表面に直角になるように立っています
駒と表面との隙間
駒の下にこんな隙間があるときは要注意です
駒がどちらかに傾いていませんか?
変形した駒
傾いた駒をそのままにしておくとだんだん駒が曲がってきます。
こうなるともう駒を交換しないといけません


駒の角度を修正する
ひざではさむ 手のひらの位置
膝とお腹で楽器が動かないようにはさみます
(あまり強く挟みつけすぎない)
両手のひらをコーナーに当てます
(これも強く押さえつけすぎないように注意)
駒を動かす チェロの駒を動かす
駒を少しずつ動かします
動かしては真横から見て、角度を確かめながらやります
チェロの場合は弦を持ちながら動かします
必ず両側から駒を押さえながらやらないと、片方に倒れてしまうおそれがあります

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